2024.03.05
ベトナム語の人称代名詞は、日本語と比べて複雑で、
使い方が分かりづらいと感じられる方も多いでしょう。
この記事では、ベトナム語の人称代名詞の使い分けを、
年齢、性別、相手との関係、状況などに分けて、詳しく解説していきます。
この記事でわかること
人称代名詞とは?
ベトナム語の人称代名詞は、日本語と同様に、話し手や聞き手、
話題となる人や物を指し示すために使用されます。
年齢、性別、相手との関係によって変わり、
地域(北部、中部、南部)によっては
人称代名詞に方言が追加されます。
主な人称代名詞は以下の通りです。
■同い年に対する人称代名詞
「私」と「あなた」を表す人称代名詞があります。
ベトナムの人たちはこのように使い分けます。
■他人に対する人称代名詞
自分の親族ではない他人の場合はどうでしょうか。
兄弟じゃなくても他人をAnh「兄」/Chị「姉」と呼ぶのが一般的です。
他人へ対する「私」の使い方は2パターンあります。
●自分よりも年上の場合
私=Em/Con
(北部の方だとCháu も使う。)
・(私)Em ⇄ (あなた)Anh【兄】 / Chị【姉】
相手が自分のお兄ちゃんやお姉ちゃんぐらいの年齢(歳上)だと、Anh/ Chịを使います。
・(私)Con ⇄ (あなた)Cô【叔母】 / Chú【叔父】 / Ông【祖父】 / Bà【祖母】
Cô/Chú= 相手が自分の両親より年下
Bác = 相手は自分の両親より年上
※自分のお父さんとお母さん世代ぐらいだったら、男性でも女性でもBácを使います。
Ông/Bà = 相手が自分の祖父母くらいの年齢
●自分よりも年下の場合
「あなた(二人称)」は「Em」になります。
自分が女性だったら「Chị【姉】」、男性だったら「Anh【兄】」を使います。
例:Em ơi, tính tiền ! (エムオイ、ティンティエン)
例:「これ3つください」というときは、
自分が女性 = Cho Chị 3 cái này. (チョーチーバーカイナイ)
自分が男性 = Cho Anh 3 cái này. (チョーアンバーカイナイ)
になります。
※相手が孫くらいの場合:一人称=Bác・二人称=Con
※相手が自分の子供くらいの場合:一人称=Cô/ Chú・二人称=Con
相手との関係が変わると、人称代名詞の使い方がどういう風に変わりますか。
今まで友達だった時にお互いのことを「Bạn」または名前で呼び合ってました。
しかし、お互い付き合うことになった時には、関係性だけでなく呼び方も変わります。
(男性)Anh ⇄ (女性)Em という呼び方になります。
年齢がすごく離れていても、
彼氏彼女、結婚相手に対しての言い方は(男性)Anh ⇄ (女性)Emです。
■ 特別な場合の一人称・二人称
親密度が深くなった場合のほか、親子間、学校などでは
特別な言い方を使います。
学校内では、
生徒は自分自身を “em” と呼び、男の先生は “thầy” 、
女の先生は “cô” を一人称に使います。
一方、先生は生徒を “em” と呼び、
生徒が先生を呼ぶ時は “thầy” または “cô” と呼びます。
親子の間では”con”【子供】 、
“bố“【父】 および “mẹ“【母】 と呼びます。
■ 三人称
三人称は、二人称に “ấy” をつけるだけです。
■ ベトナムの敬称
日本語の「田中さん」の「さん」のような敬称として
ベトナム語では、名前の前に人称詞を置きます。
ベトナム語では、「さん」は苗字でなく、
名前に対してつけることに注意しましょう。
例えば、フルネームが「Nguyen Van An」であれば、
「Nguyenさん」ではなく、「Anさん」と呼びます。
間違った人称代名詞を使うと、相手に失礼に当たることもあります。
人称代名詞を正しく使って、豊かな関係性を築いていきましょう。
まずは身近で仲のいいベトナム人に使ってみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。