2024.10.25
オフィスでの照明は、働く環境の質や効率に大きく影響を与えます。
国ごとに、照明基準や照度規制が異なっていることを知っていますか。
本記事では、ベトナムと日本のオフィス照明に関する基準を比較し、それぞれの違いと共通点についてまとめました。
この記事では、以下のことがわかります。
(SUNGROVE TECH VIETNAM Project in Ho Chi Minh City / Designed by Frontier Consulting Vietnam)
ベトナムのオフィス照明基準はTCVN 7114-2008(国際基準ISO 8995:2002に相当)に基づいています。
この基準によると、一般的な業務の場合、オフィス内の照度は300~500ルクスが必要です。
より細かい作業を行う場所では、照度が750ルクスまでの照度が推奨されているケースもあります。
事務所の照度基準 (TCVN 7114-2008より抜粋)
作業種別または活動種類 | 推奨照度(lx) |
設計室、製図室(細かい作業) | 750 |
一般事務作業(パソコン作業、執筆、書類作業など) | 500 |
会議室 | 500 |
受付 | 300 |
書庫、印刷室、通路等 | 300 |
倉庫 | 200 |
(High Score,Inc. Project in Japan / Designed by Frontier Consulting)
日本では、オフィス照明の基準はJIS Z 9110に基づいています。
通常、オフィス空間に求められる照度は500~750ルクスです。
事務所の照度基準 (JIS Z 9110:2011より抜粋)
作業領域又は活動の種類 | 推奨照度(lx) | |
作業空間 | 設計、製図 | 750 |
キーボード操作、計算 | 500 | |
オフィス空間 | 設計室、製図室、事務室、役員室、玄関ホール(日中) | 750 |
診察室、印刷室、電子計算機室、調理室、集中管理室、守衛室 | 500 | |
受付 | 300 | |
共有エリア | 会議室、応接室、集会室 | 500 |
宿直室、食堂、トイレ、エレベーターホール | 300 | |
喫茶室、給湯室、更衣室、書庫、便所、洗面所、電気室、機械室 | 200 | |
階段 | 150 | |
休養室、倉庫、廊下、エレベーター、玄関ホール(夜間)、玄関(車寄せ) | 100 |
(参照:officesnapshot )
ベトナム人も明るく開放的なオフィス空間を好む事実はご存じですか。
日本のオフィスはより明るい傾向があります。
理由は、日本のオフィス照明基準がベトナムより高いからです。
しかし、ベトナム人が日本人より暗いオフィスを好むかどうかは別の話。
2か国間のオフィスの照明レベルの違いが生じている主な理由は、照明規制の基準、インフラ条件、そして設計および予算制約です。
オフィスワーカーの個人的な好みや文化によるものではありません。
ベトナム人も、日本人と同様に明るいオフィス環境を好む傾向があります。
照明選びのポイントについて、自然光に近い色温度(4000K~5000K)がベトナムのオフィスに最適です。
オフィスの各エリアに適した照明タイプをまとめました。
エリア | 照明タイプ | 特徴 |
執務室 | LEDパネル、ダウンライト | ・均一で明るい光 ・作業効率向上 |
会議室 | LEDパネル、ダウンライト、ペンダントライト | ・用途に応じた雰囲気作り |
受付 | ダウンライト、スポットライト | ・明るく見せる ・アクセントを加える |
休憩室 | ペンダントライト、シーリングライト | ・リラックスした雰囲気を演出 |
廊下・通路 | ダウンライト、LEDチューブライト | ・安全性と視認性の確保 |
オフィスの照明は、単に空間を明るくするだけでなく、スタッフの健康や生産性にも大きく影響を与るでしょう。
日本とベトナムの照明基準の理解と最適な照明選びが、より快適で効率的な作業環境の実現につながります。
テナント規模や使用目的に応じた最適な照明プランを立て、快適なワーク環境をつくってみてはいかがでしょうか。
もしオフィスの照明でお困りごとがございましたら、お気軽にフロンティアコンサルティングまでご相談ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
(AXON Project / Designed by Frontier Consulting Vietnam)