2026.05.14
前回は、「なぜ今、企業に変化が求められているのか」というテーマで、市場環境や働き方の変化についてお話ししました。その中で、どう働くか、どこで働くかが、社員が長く働き続けることや、組織の力にもつながることに触れました。では、そうした変化の中で会社が考える「理想の働き方」とはどのようなものでしょうか?
今回は、FCVが日々のプロジェクトを通じて見えてきた「理想の働き方」について、もう少し深掘りしてみたいと思います。
「理想の働き方」は一つではない
現在、リモートワークやフリーアドレス、コミュニケーション重視型オフィスなど、さまざまな働き方が広がっています。ベトナムでも、以前と比べて「働く環境」に対する考え方は少しずつ変わってきました。ただ、実際の現場では、「新しい働き方を導入すれば自然とうまくいく」というほど単純ではありません。
例えば、自由度を高めたことでコミュニケーションが活発になる企業もあれば、逆に情報共有が難しくなるケースもあります。柔軟性を重視した結果、個人としては働きやすくなっても、組織としての一体感が弱くなってしまう場合もあるのです。
だからこそ、「理想の働き方」は何か一つの正解があるというよりも、それぞれの企業や組織に合った形を探していくことが重要なのではないかと感じています。

FCVでは、ベトナムで働く日系企業のプロジェクトに関わる中で、日本とベトナムにおける「理想の働き方」に対する感覚に少し違いがあると実感しています。
例えばベトナムでは、
・家族との時間を大切にしたい
・柔軟に働きたい
・働きやすい環境で成長したい
といった声をよく耳にします。
特に若い世代では、給与だけではなく、「どのような環境で働けるか」を重視する人も増えてきています。一方で、ライフステージが変わるにつれて、社会保険や福利厚生の充実、長期的に安心して働けるかといった、生活とのバランスを仕事選びの軸にするケースも多く見られます。
例えば、社会保険や福利厚生が整っているか、長期的に安心して働けるか、生活とのバランスを取りやすいか、といった点を仕事選びの中で重要視する人も増えてきているように感じます。
一方、日本では、
・組織としての連携
・マネジメントのしやすさ
・自然なコミュニケーション
・長期的な安定性
などを重んじる傾向があります。
もちろん、これは単純に「日本人はこう」「ベトナム人はこう」と分けられるものではありません。
ただ、実際の職場では、こうした価値観や文化的な違いが、働き方やオフィスのあり方にも影響を及ぼしている場面に多々直面します。そのため、FCVでは、どちらか一方の考え方を正解とするのではなく、それぞれの価値観や働き方を理解しながら、企業ごとに最適なバランスを探していくことが重要だと考えています。
文化や価値観の違いから、コミュニケーションのズレや認識の差が生まれるのは自然なことです。だからこそ、「異なる」ことを前提にしながら、お互いが自然体でパフォーマンスを発揮できる環境をどうつくっていくかが、これからますます問われていくでしょう。

理想的な働き方は、単にオフィスを新しくしただけで実現するものではありません。また、「これが最新のトレンドだから」とそのまま当てはめても、企業によっては機能しないケースが多々あります。
そのためFCVでは、まず現状の働き方や組織の状況を整理しながら、「その企業にとって何が重要なのか」を見極めるプロセスを重視しています。
例えば、
・現在のオフィス環境や働き方の分析
・社員アンケートによる課題整理
・キーパーソンへのヒアリング
・ワークショップを通じた認識共有
これらを通じて、理想の働き方を少しずつ明確にしていきます。
トップダウンだけで方向性を決めるのではなく、現場の意見も取り入れながら整理していくことも重要だと考えています。経営層と現場では、働き方に対する認識が異なるケースはよくあります。そのため、一方的に決めるのではなく、双方の考えを整理しながら、その企業らしい働き方を模索していくことが大切なのではないかと感じています。

まとめ
今回は、「FCVが目指す理想の働き方とは?」というテーマについて整理してみました。FCVは、働き方と働く場所の両面から、ベトナムにおける日系企業のパフォーマンス向上にどのように貢献できるのかを、これからも追求し続けていきます。
次回は、「専門性と組織力が生み出す価値」というテーマで、FCVがどのようにプロジェクトに向き合っているのかについて、もう少し具体的に掘り下げていきたいと思います。