2023.04.24
皆さんこんにちは。
ベトナムで数年間でも仕事をしている日本人なら、
1度はベトナム人の結婚式に招待された経験があると思います。
結婚式はベトナム人にとって、人生の一大イベント。
今回は、知っているようであまり知らないベトナムの結婚式のお話です。
ベトナムは結婚するまでにいくつかの儀式があります。
地域やその個人によっても異なりますが、
今日は、比較的ポピュラーな結婚式までの流れについて説明します。
1. 結婚式の前
ベトナムでは、結婚式の前に「両家の顔合わせ」イベントがあります。
一般的には、新郎側の家族が、
新婦の家族から正式なお付き合いの許可をいただくために
新婦の実家を訪問します。
これは、新郎と新婦の家族間のプライベートな会合です。
この儀式は、両家がお互いのことを詳しく知り、
両家が結婚式を行うかどうかを決定する非常に大切なステップとなっています。
この儀式をスキップして結納することはほとんどなく、
この儀式は、愛するカップルが結婚するまでのプロセスで、
欠かすことのできない重要な儀式となっています。
初めて新婦の実家を訪問する際には、
新郎の家族は、顔合わせの時の慣習として小さな贈り物を持参します。
贈り物は様々ですが、
バスケットや果物の入った袋、ワインやお菓子がポピュラーです。
「両家顔合わせ」の次は、「結納」の儀式です。
結納の儀式は、新婦の家で行われ、
新郎と新婦の家族は、この儀式のための準備や儀式にかかるお金を惜しみません。
この儀式の後、新婦は正式に新郎の婚約者となります。
新郎の家族はこの儀式の際、
もう一度結納品を持って新婦の実家を訪問し、
いつ結婚式を挙げるかを話し合います。
新郎が贈る結納品には、お祝い金の入った封筒、
パーンというキンマの葉とビンロウジュの実で作った嗜好品やお菓子、
コーヒー、紅茶、ワイン、ケーキ、果物などなど。
これらは、新婦の両親へ感謝の気持ちとして贈ります。
結納の儀式は、「両家の顔合わせ」の時とは異なり、
贈り物がとても充実しています。
各家によって、新郎の家族が新婦の家に持っていく結納品の数も違います。
奇数は発展を象徴する縁起のよい数という考え方から、
北部では、5、7、9、11の数の結納品を好みます。
南部では、偶数を好み、6、8、10の結納品を持参することを好みます。
(新郎からの結納品の例)
結納品が6個ある場合、6名の男性が新郎の結納品を運びます。
新婦の家には、6名の女性がそれを迎え、結納品が手渡しされます。
結納品を渡した後、新郎新婦は新婦の実家へ入っていきます。
両家が一通りの挨拶を終えると、
新郎新婦は、祭壇の前で焼香を行い、ご先祖様に結婚の報告をします。
そして最後に、二人がいつまでも幸せに暮らせるように、
両家の親から新しい夫婦生活への助言やアクセサリーをもらいます。
新婦の実家での結納が無事に済むと、
今度は、新婦が新郎と一緒に新郎の実家へ挨拶に行きます。
新郎の実家でも祖先の祭壇へ焼香をし、新郎側の親戚へ挨拶をします。
そして、この儀式が終わると新郎の自宅で宴会が始まります。
結納後の宴会に参加するのは、両家の家族だけでなく、
沢山の親戚や新郎新婦の友人も出席し、皆で両家の幸せを最大限に祝福します。
2. 結婚式
ここからのステップが、日本人がよく招待される結婚式です。
ホーチミンやハノイなどの都市部では、
実家の家の大きさも限られるため、レストランやホテルの会場で結婚式を挙げます。
郊外の小さな町や村に住んでいる新郎新婦は、実家で結婚式を挙げるのが一般的です。
親戚が一堂に集まり、一緒に披露宴の用意から片付けまで行い、
最後まで楽しい時間を過ごします。
写真は郊外の結婚式の例です。
田舎の実家の道路脇に仮設テントが張られ、
きらびやかな飾り付けと共に、
会場がセッティングされています。
ベトナムの結婚式に参加する際のご祝儀は?
外国人として、ベトナムの結婚式に招待された時、
ご祝儀の相場がわからず、悩んだことはありませんか?
とても親しい知人であれば、最低でも50万ドン。
パートナーと一緒に出席する場合で、
仲の良い友人や親しい仕事仲間であれば100万ドンが目安となります。
新郎新婦の二人と非常に親しい仲であれば、
200万~500万VND以上をご祝儀することもあります。
儀式の流れについて
結婚式への招待状は、1~2週間前に新郎新婦から手渡されます。
結婚式にもよりますが、会場で座る席の位置は、
座席が決まっている場合もあれば、自由着席の場合もあります。
結婚式の当日、会場に到着すると、
ウェディングドレスに身を包んだ新婦とスーツやタキシードを纏った新郎が
会場の入り口で出迎えてくれます。
ベトナムでは、新郎新婦は式が始まるまでは
受付付近で来賓者を出迎えるのがベトナム流です。
この時に、来賓者は新郎新婦と記念撮影ができます。
また、持ってきたご祝儀は、
封筒ごと受付に置いてあるご祝儀箱に入れましょう。
さて、いよいよ結婚式がスタート!
式場のライトが暗くなり、司会が登場します。
プロフィールムービーの上映後は
いよいよ新郎新婦の登場です!
新郎新婦が入場したら、両家のご両親も舞台へ向かいます。
新郎新婦と両家の両親の登壇後、
ケーキ入刀 → ドライアイスでスモーク演出がされたシャンパンタワー
→ 新郎お父様の挨拶
という15分ほどのセレモニーの後、乾杯となります。
この頃から宴会の大皿料理が次々にテーブルに運ばれはじめます。
食事会が始まると、新郎新婦とその両親達は、
各テーブルに挨拶回りをはじめます。
彼らが回る各テーブルからは、
威勢よく「モッ、ハイ、バー、ヨー!(1、2、3、乾杯!)」の掛け声が聞こえてきます。
そして、ベトナムの結婚式といえば、定番のカラオケ大会!
ベトナムでは、パーティーとカラオケは切っても切り離せません。
来賓者は、皆好きな時に登壇し、生バンドに合わせて歌いまくり、
子供達は舞台の近くで走り回りまわって遊びます。
そして、ベトナムの結婚式には閉会の挨拶というものがはなく、
食事が終わった人から、好きなタイミングで自由に散会します。
もうひとつ、披露宴に参加する女性が楽しみにしているのが、
幸せを引き継ぐブーケトス。
私も新婦がトスしたブーケをゲットしたことがありますが、
今も独身ですし・・これはあまり信じ過ぎない方がよいかなと思いましたが、
何より披露宴に参加する時はいつもとても幸せな気持ちになります。
もしもまだベトナムの結婚式を体験したことがない日本人の方は、
ぜひベトナムの結婚式の文化に触れてみてください。
このようなイベントに日本人のあなたが招待されてお祝いに参加すると、
会場のベトナム人の人々は、とても嬉しい気持ちになると思います。
お読みいただきありがとうございました。