2023.07.04

特集 ベトナム人が大切にするオフィスの風水(前編)

日本では、日常的に「風水」を意識して生活している人は多くないかもしれません。

ベトナムでは、家の間取りやオフィスのレイアウトなど、

祝いごとに至るまで、風水を取り入れることはとても身近です。

 

風水は、ベトナム文化の重要な一面であり、建物の配置や内装でも、

風水によってポジティブなエネルギーを引き寄せることができると信じています。

今回は、ベトナムのオフィス風水についてご紹介いたします。

 

風水とは?

風水とは「風と水をコントロールすることで良い<気>を集め、

最適な環境をつくる風習」です。

 

ここでいう「気」とは、天と地の間に満ちている「エネルギー」や「活力」を言い、

良い環境は人の内面にも良い影響を及ぼすと考えられています。

 

誰が風水を創始したかのか?

実は、風水はそもそも誰が最初にはじめたのか、正確に記した文献は存在しません。

ベトナムの風水の歴史は、フン王の時代

(※フン王は18人おり、BC2879年〜BC258年までの2,622年を王位期間をいいます。)

まで遡り、多くの宮殿や寺院は風水に習って建てられました。

 

ビジネスにおいても、

風水を活用することで順風満帆、大きな収益をもたらすと考えられております。

 

オフィスの風水

風水の概念によると、オフィス、店舗、工場等は、

経営者が運と幸運への道を広げるのに役立つと考えられています。

オフィスの風水を確保するためには、

立地・配置・方角・周辺環境・オフィス区画内レイアウトまで、

さまざまな要素を考慮する必要があります。

例えば、オフィスビルの背面に角が尖っている形のビルが迫って建っている場合、

そのビルのオフィスは、社内の軋轢や人事異動が多いと言われています。

 

ここからは、

ベトナムのオフィス風水の原則を紹介いたします。

 

■インテリアの配置

南東は財運を表しますので繁栄のために水瓶や水槽など、

水に関連するインテリアを置くのがよいと考えられております。

北西は後援者を象徴し、有名人の像や会社のロゴ、

賞状などを置くと、幸運や利便性が高まると言われております。

 

風水の机の配置のセオリーは、

鋭利なコーナー付近や構造の梁の下に極力デスクを置かない。

 部屋全体を見渡せるオープンスペースを向くようにする。

 ドアに背を向けない座り方で、壁が後ろ。

がよいとされております。

 

従業員数の多いオフィスでは、

こうした条件をすべて満たすのは難しいのが現実です。

 

そこで、

机や椅子を適切な方角に臨機応変に配置したり、

縁起物や風水アイテムを使い、

机の凶方位を中和させる方法もあります。

 

オフィスに絵を飾って緑の空間づくり

風水によると、職場のエントランスなどに、山と川の絵を飾ることはよいとされ、

絵の中に川があれば、川の方向がオフィスエリア内に流れ込むように配置すると、

職場に多くの幸運をもたらすと言われております。

 

また、剣や龍のような殺意の強い動物やモノの絵は避けるのがよいと考えられております。

その代わり、ヒマワリやシャクヤクなどの絵を飾ると、

部屋はプラスのエネルギーに満ち、

オフィスに新しい活力をもたらしてくれると考えられています。

 

オフィスの植物については、

ツル植物やトゲのある植物はオフィスに置かない方がよいとも言われております。

 

福の神の祭壇があるべき

福の神は「富を求める」神様とされ、会社の商売繁盛を助けてくれます。

したがって、祭壇を設け、福の神の祭壇を整えることは、

ベトナムではどの会社も必ず注意すべき重要なことだと思われています。

 

祭壇は人の出入りがよく見える風通しのよい1階に置きます。

 

役員室

ベトナム人にとって役員室は重要なエリアです。

このエリアが風水に従って配置されていれば、

会社全体に幸運をもたらすと考えられています。

役員室はオフィスの隅に置くのがベストで、

オフィスのエントランス近くには絶対に置かないようにし、

悪い気を寄りつかないようにします。

 

いかがでしたか?

次回の【後編】では、
オフィス風水の他の原則やタブーについてもお話したいと思います。

お読みいただきまして、ありがとうございました。

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