2025.05.30
あなたにとって理想の休日とはどんな一日ですか?
静かなカフェでのんびり?家族と笑い合う夕食?それとも一人でゆっくり過ごす時間でしょうか?
ベトナムでは、休日に求めるものが世代や場所によって大きく異なります。
この記事ではベトナム人が年代別にどのような休日を送っているのかを紹介します。
ベトナムの子どもたちにとって、休日は学校や塾から解放される貴重な「自由時間」。
長期休暇である夏休みには、自由な選択肢が与えられる分、過ごし方にも個人差が大きく現れます。
近年、幼い頃からスマートフォンやタブレットに触れる機会が増え、YouTubeやゲームに夢中になる子どもが多いです。
中には、「外で遊ぶ」より「画面の中で遊ぶ」ことを好む傾向すら生まれており、スマホや電子機器が遊び道具の中心になりつつあります。
多くの親はこの状況を懸念しており、時間があるときはなるべく子どもを外に連れ出すことに必死です。
そのため、図書館、スポーツ、博物館や自然体験など、教育的・身体的に良い活動に参加させようと努力しています。
都市部の家庭では、休日に英語、ピアノ、プログラミングなどの習い事を入れることも多く、このような子どもたちにとっては「遊ぶ休日」でなく、「成長のための休日」を過ごしていると言えるでしょう。
この世代の休日のキーワードは「友達」「SNS」「自由」。
学校や家庭という枠を超えて自分自身を表現し、同世代とつながることが重要視されてます。
集まる場所は、主にショッピングモール、映画館、カフェなどです。
休日には、フェイスブックやインスタ用の写真の撮影が当たり前の感覚となってきています。
一方で、地方のティーンエイジャーは、家庭の手伝い(料理・洗濯・店番など)が優先されることも多く、自由な時間が限られています。
それでも、地元の友達とのバイク小旅行やカラオケなどが人気です。
しかし、受験を控える学年になると、休日も塾や自主学習に時間を取られる傾向が強まります。
この世代はベトナムで最もライフスタイルの多様な層で、休日の過ごし方にもその影響が色濃く反映されます。
午前中は家族と食事や買い物を楽しみ、午後から友人や恋人と出かけるなど、一日を二部構成で過ごす傾向があります。
カフェ巡りや映画鑑賞、読書など、リラックスできる過ごし方が人気で、忙しい平日の疲れを癒す時間として機能しています。
休日になると完全に「ひとりの世界」に戻る傾向があります。
誰とも会わずに、ひたすら寝たり、Netflixを見たり、スマホを触ったり、部屋の掃除や洗濯を済ませるなど、体と心を回復させることを重視した「回復型休日」を送る人が少なくありません。
週末や短い祝日は地元に帰るには時間が足りないため、多くの地方出身者は都市で過ごしており、週末の行動パターンは都市出身者と大きな違いはありません。
帰省するのは、テト休暇などの大型連休に限られます。
その際には、家族や親戚との再会を楽しみ、地元での時間を大切にするという、普段とはまったく異なる過ごし方になります。
近年、休日をただの休息ではなく「未来への投資の時間」として使う若者も増えています。
副業に取り組んだり、語学やスキルアップのためのオンライン学習に励んだり、自分磨きの一環として休日を積極的に活用する人たちです。
一部の若者にとっての休日は、単なる遊びの時間ではなく、自己管理と成長、そして生活の再構築のための貴重な時間となっています。
中高年世代にとっての休日は、ようやくひと息つける貴重なひとときでもあります。
平日は仕事と家事に追われ、休日になると今度は子どもの送迎や習い事の付き添い、場合によっては自分の親の介護など、家族内での役割がさらに重くなる傾向があります。
女性の場合、地方では「休日=家事強化日」となることが多く、掃除、料理、親戚との付き合いまで担っているため、「自分の時間」を確保できないのが実情です。
男性の中には、休日に友人とコーヒーかビールを飲んだり、チェスを楽しんだり、静かに本を読んだりして過ごす人もいますが、これも限られた時間の中でのささやかな息抜きにすぎません。
それでも、近年ではこの世代にもウェルネス意識が高まってきており、ヨガや瞑想、健康食品への関心が広がっています。
中高年にとっての休日は、ようやく自分を取り戻すための静かな戦いの時間とも言えるでしょう。
高齢者にとっての休日は、心の平穏を保ち、社会との繋がりを持ち続けるための大切な時間です。
多くの人が朝早くに起きて、公園でウォーキングや軽い体操を行っており、仲間との会話も楽しんでいます。
また、寺院を訪れて線香をあげ、家族の健康や平穏を祈るのも一般的です。
僧侶の話に耳を傾けながら心を落ち着ける時間が、日常のリズムの一部となっています。
一方で、家庭菜園やペットの世話など、自然と触れ合う活動を通じて生活リズムを整える人も少なくありません。
それでも都市部では、依然として共働きの家庭が多く、祖父母が孫の世話を担うケースも一般的です。
土日や学校の長期休暇期間には、孫の遊び相手や送迎役としての役割が加わり、意外にも“多忙な老後”を送っている人も少なくありません。
世代別のベトナム人の休日の過ごし方を紹介しました。
ベトナム人にとっての休日は、単なる休息の方法ではなく、その人がどの段階の人生を歩んでいるか、どんな価値観を持っているかを反映しています。
子どもはよく遊び、大人はつながりを求め、高齢者は心の平穏を大切にします。
ベトナムの人々が休日をどのように過ごしているのかを観察してみてはいかがでしょうか。
リアルな現状から、ベトナム社会の温かさや人々の価値観が感じられるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。