2026.04.06

シリーズ: FCVの価値とは何か?  

トピック①:なぜ今、企業に “変化” が求められているのか?

 

日々仕事をしている中で、「最近、働き方って変わってきたな」と感じることはないでしょうか。経済成長の著しいベトナムで働いていると、その変化のスピードをより強く感じる場面が多いかも知れません。今回のシリーズでは、ワークスタイルやワークプレイスをデザインするFrontier Consulting Vietnamが「FCVの価値とは何か?」というテーマで、いくつかの視点から考えていきます。その第一回として、まずは「なぜ今、企業に変化が求められているのか」について整理してみたいと思います。


市場環境の変化

ベトナムはここ数年で大きく成長してきた市場の一つです。外資企業の進出も増え、日本企業にとっても重要な拠点になっています。その一方で、企業数が増えるということは、競争が激しくなるということでもあります。特に人材面では、その変化が顕著に表れていると感じます。

・採用が思うようにいかない
・人材の流動性が高い
・優秀な人材ほど選択肢が多い

こうした状況の中で、「人をどう確保するか」「どう定着してもらうか」は、どの企業にとってもより重要なテーマになってきています。
FCVとしても、日々さまざまな日系企業様と関わる中で、こうした変化を実感する場面が増えてきています。 特に人材に関する課題については、「採用」だけでなく「定着」や「働きやすさ」にまで視点を広げて考える必要性を感じることが多くなっています。

 

働き方の変化

こうした市場環境の変化と並行して、「働く側」の価値観にも変化が見られます。これまでは給与が重視される傾向がありましたが、現在ではそれに加えて、働く人のライフステージに応じて重視されるポイントも多様化してきているように感じます。
例えば、キャリアの初期段階にある人材にとっては、給与や成長機会が重要な判断軸となる一方で、 結婚や子育てといったライフイベントを迎える中で、安定した制度や働きやすさを重視する傾向も見られます。その中で、働く環境の快適さやワークライフバランスといった要素が、単なる付加価値ではなく、長く働き続けるための前提条件として捉えられるケースも増えてきています。

また、コロナ以降、リモートワークなど柔軟な働き方も広がり、「どこで・どのように働くか」という選択肢も増えました。「毎日同じ場所に集まって働くこと」が当たり前だった前提自体が、少しずつ変わってきているのかもしれません。

さらに、ベトナムで事業を行う上では、日本との価値観の違いも無視できない要素です。
例えば、ベトナムではトップダウンで意思決定が進みやすい場面がある一方で、日本ではフィードバックや合意形成を重ねながら進めるケースが増えています。また、日本では成果や競争が重視される傾向があるのに対し、ベトナムではワークライフバランスや働く環境の快適さを重視する声も多く見られます。こうした違いは、単なる文化の違いにとどまらず、実際のプロジェクトの進め方やコミュニケーションの取り方にも影響を与えます。FCVとしても、こうした両者の違いを前提としながら、それぞれにとって無理のない形を模索していく必要性を感じています。


従来のやり方の限界

前段でお伝えしたとおり、市場・人材・価値観が変化している中で、従来のやり方との間に少しずつズレが生まれてきているように感じます。その一つが、オフィスの捉え方です。例えばオフィスに対しても、「コストとして最小限に抑えるもの」として捉えられるケースはまだ少なくありません。もちろんそれ自体が間違いというわけではありませんが、

・コミュニケーションが生まれにくい
・チームの一体感が感じにくい
・働くモチベーションに影響が出る

といった課題につながる可能性もあります。

実際に、オフィスづくりに関するご相談内容にも、こうした変化が少しずつ表れてきています。単にスペースを整えるだけでなく、「どのように働くか」まで含めて検討されるケースが増えてきました。そのため、一つのやり方をそのまま当てはめるのではなく、それぞれの企業や組織の特徴に合わせて考えていくことが重要になっています。

FCVでは、オフィスを単なる「コスト」としてではなく、働き方そのものに影響を与える重要な要素だと捉えています。実際に、働く環境が変わることで、コミュニケーションの質や意思決定のスピード、個人のパフォーマンスにまで違いが生まれる場面を多く見てきました。だからこそ、「どこで働くか」と「どのように働くか」を切り離さずに捉え、両者を一体として設計していくことが、組織全体のパフォーマンスを最大化する上で重要だと考えています。

 

 

なぜ「変化」が必要なのか

こうした流れを踏まえると、企業にとっての「変化」とは、何かを否定することではなく、環境に合わせて前提を見直していくことなのかもしれません。現状から「継承すること」「進化させること」「付加させること」「削除すること」を明確にし、時代にあわせた働き方や働く環境を構築することは重要な経営課題であり、人材の定着、生産性、組織としてのパフォーマンス等といった要素に影響を与えるものであるという認識を持つことがとても大切と考えます。また、ベトナムという市場においては、日本での成功事例をそのまま適用するのではなく、現地の特性に合わせて最適化していくことも求められます。その中で「ローカライズ」に対する向き合い方もただ現地に合わせていくのではなく、日本の良さを出来るだけ残して、現地の良さを取り入れることが海外での日系企業の価値を最大化出来ると考えてます。

FCVとしては、こうした変化を前提に、働き方と働く場所の両面から、ベトナムにおける日系企業の事業活動のパフォーマンスを最大化することを目指しています。

 

まとめ

今回は、「なぜ今、企業に変化が求められているのか」という視点で、背景となる流れを整理してきました。ただ、変化が必要であることは分かっていても、「どのように変えていくべきか」という点については、企業ごとに異なる前提や課題があるため、一つの正解があるわけではありません。では、これからの時代において、企業にとっての「理想の働き方」や「理想の働く場所」とはどのようなものなのでしょうか。次回は、この点についてもう少し具体的に考えていきたいと思います。

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